#32 by yamatomo / 2011.04.30
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東日本大震災に関する私たちの立場

2011年3月11日に発生した東日本大震災は経済的に低迷する日本社会に、大打撃を与えました。津波による広範な地域社会の破壊と福島第一原発による放射能被害により移住労働者を含む被災者は言語を絶する苦痛と悲しみを強いられています。現下の状況を受け止め、私たちAPFS労働組合は以下の三点を明らかにします。

第一に、外国人、日本人を問わず全ての労働者が本震災により「働く権利」「生きる権利」を脅かされています。私たちはこの事態を看過することはできせん。

少なからぬ経営者が本震災発生後の厚生労働省通達(計画停電を理由とする自宅待機には休業手当を出さなくていいというもの)を都合よく解釈し、不当な労働者の解雇・雇い止め・休業手当なしの自宅待機が横行しています。震災以降、こうした解雇・雇い止め・自宅待機で苦しむ外国人労働者が続々と当組合へ相談に訪れています。「外国人労働者=移住労働者は使い捨ての労働力」という悪しき日本社会の「常識」がここぞとばかりに全面化しているといえます。

現在のような苦難の時こそ労働者は国籍を超えて団結しなければなりません。私たちは震災に便乗した外国人労働者の使い捨てを決して許しません。

第二に、私たちは今回の震災による被災者の方々に思いをはせ、組合としてできうる限りの支援を行います。すでに当組合執行委員のうち三名がそれぞれ被災地を訪れ「現地調査」「人脈構築」「ボランティア活動」を行っています。(写真は石巻でのボランティア活動。府中緊急派遣村の方々とともに)

さらに数名の外国籍組合員も「共に日本で暮らす仲間として何とか力になりたい」との気持ちをもって被災地あるいはさいたまスーパーアリーナ避難所でのボランティア活動を行いました。

当組合員執行委員のうち数名は1995年の阪神淡路大震災においても現地に常駐し、現場で被災者との協働をなした経験があります。こうした経験を活かし、数年あるいはそれ以上かかるであろう被災地復興に向け組合として中・長期的な視野をもって支援活動に取り組む所存です。

最後に、原発問題について述べます。原子力がクリーンなエネルギーだなどという欺瞞はもう通用しません。人類が核を制御できないということは今回の「FUKUSHIMA」の事態で世界中に明らかになりました。原子力発電にNO!とはっきり言わねばなりません。

生きるために被ばく覚悟でウラン採掘を行う海外労働者や、同じく生きるために重大な危険と隣あわせで労働する「原発ジプシー」といわれる非正規雇用労働者の存在を私たちは今こそ真摯に考えるべきです。APFS労働組合は「脱原発」によるエネルギー政策の転換と電気事業連合会・政治家・官僚・御用学者などを中心とする利権構造の解体、並びに持続可能な社会を実現するため不必要な電力浪費をストップすることを訴えます。

2011年4月30日

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